借金900万円男の完済日記

2021年7月 詐欺で借金900万円を背負った男の完済ストーリー

死を考えた7月10日

詐欺に遭ったと気づいたとき、

すぐに地元警察、消費者生活センター、FX詐欺に強いと思われる弁護士に連絡しました。

警察→相手の銀行口座の凍結をお願いするも動いてもらえず

消費者生活センター→被害金額が大きすぎて対応してもらえず

弁護士→ちゃんと対応してもらえそうなところは手付金必要(そんな金はない)

    成果報酬を謳っているところは対応悪い

騙されるほうが悪いとはよく言うけど

それは絶対に違う。

騙すほうが悪いに決まってる。

そう思い、怒りが込み上げながらも

誰も助けてくれない現実を目の当たりにし、

世界に見放された気持ちになりました。

お金は返ってこないとわかったとき、

友達にはなんと言おうか

いや、まだ手立てが何もない状況では言えない

親には相談すべきか

いや、既に借金している。これ以上頼れない

自分の稼ぎで返せるか

いや、年間で手取り400万円もない

父親に毎月8万5000円返済しつつ、900万円返すのに何年かかるのか

仮に友達が返済を待ってくれたとして一年で100万円返しても9年かかる

そのとき自分は41歳(しかも貯金無し)

多分、再婚は無理

趣味に使うお金もない

一体、返済した後の人生に何が待っているんだろう

何のために生きているんだろう

自分には養う家族はいない

親兄弟は悲しむと思うけど、

これ以上迷惑をかけながら生き続けるよりはマシかもしれない

そう思った瞬間、

あ、死のう

という考えが頭にポッと浮かびました

そして、そのあとは「どうやって死ぬか」しか考えられなくなったのです。

検索履歴には、

苦しくない死に方、睡眠薬練炭、激安中古車、事故死に見せかける自殺の仕方、迷惑のかからない死に方、自殺後に家族が払うお金。。。

などの検索履歴が連なりました。

人間、本当に追い込まれるとまず食欲を失います。

水分と糖分を摂取しなくなるので、

虚無感、倦怠感、吐き気に加えてポジティブなことを考える思考力が著しく低下します。

人とも話したくない、仕事もしたくない、

何をやっても虚しいだけ。

有り金全部使って遊んでから死ぬと思っても

キャバクラや風俗にすら行く気になれない。

本当に絶望を感じる状況。

気づいたらコンビニでタバコ一箱、ライター1本、鏡月1本を買って家の近くの土手にいました。

鏡月を1本を飲み干せば橋から川に落ちることができるかもしれない。

そう考えるほど追い込まれていました。

土手でラッパ飲みしながら

唯一、ひとりの友達に事情を伝えようと思いました。

借金の一部はその友達の友達から借りていたからです。

借金を返せなかったら友達の顔を潰すことになる。

そう思ってLINEしました。

事情を話し、居場所を伝え、何をするつもりかを話しました。

いくらでもどうにでもなる額だ

変なこと考えたらアカン

世の中に失敗しない人はいない

そんな綺麗事言うな!

他人事だからそんなこと言えるんだ!

そう思っても伝えることはできず。。

死を考えた状況でさえも本音を感情剥き出して表現できないことに情けなさを感じました。

ただ、今思えば感情を出す気力すらなかったのだと思います。

ただ、このあと私は彼のおかげで

もう一度生きようと思えるようになりました。

つづく